今回は、兄弟二人の自転車特訓の記憶を掘り起こします。
自転車って不思議なもので、一度乗れるようになるとその後ずっと乗れる乗り物。そして、10年以上乗ってなくても、乗る感覚は忘れない。
とにかく、乗れるようになるまでが大変なのだ。
自分の時は、乗れるまでは何度も転び、お父さんと泣きながら特訓した覚えがある。
『絶対に離さないでね!』『わかったよ!』
ガラガラガッシャーン!!
『離さないって言ったじゃん!(泣)』
この会話は、自転車特訓の「あるある」じゃないだろうか。この時、子どもは裏切られることを初めて知るのである。
長男君との特訓
そんな自分の記憶を掘り起こしながら、長男君との自転車特訓が始まった。あれは長男君が4,5歳の時だ(曖昧な記憶や)。
最初、長男君はペダルをこぐ感覚が掴みにくかった。こぎ続けることに苦戦していた。僕は内心喜んでいた。
『いいよ、これでこそ自転車特訓だ!』
そして、定番のシーンが訪れた。
『絶対に離さないでね!』『わかったよ!』
僕は少しだけ手を離す(裏切る)時に心が痛んだ。ただ、長男君が自転車に乗るためにと、心を鬼にして手を離したんだ。
『やったー!乗れたっ!』
僕は動揺した。思っていた景色と違うのだ。僕が想像していたのは、長男君が派手に転び、泣きながら『離さないって言ったじゃん!』と怒るシーンだ。
自転車特訓ってそういうもんだろ?ケガをして、親の裏切りを経験してやっと乗れるもんだろ?
『なぜ乗れているのだ?』
最高の笑顔をした長男君がそこにいた。
こんなに早く乗れた理由は、STRIDER(ストライダー)である。いわゆるランニングバイクと言われる乗り物。簡単にいうと、自転車のペダルとブレーキがついてないやつ。
長男君は自転車に乗る前の1~2年弱の間、ストライダーを乗り回していた。ついには、勢いをつけて地面から足を浮かして乗っていた。
このストライダーによって、長男君のバランス感覚は完璧に磨かれていたのだ。
ここまで効果があるとは予想もしていなかった。別に、自転車に乗せるためにストライダーを買ったわけではなかった。
こうして、父と子の自転車特訓物語は10分で幕を閉じた。そうなのだ、ストライダーさえあればお父ちゃんの指導なんて必要なかったのだ。
僕は動揺と感動を半々に味わいながら、スイスイと自転車に乗る長男君をいつまでも見守っていた。
二男君との特訓
長男君が自転車に乗るようになると、自然とストライダーは二男君が所有するようになった。
あっという間にストライダーを乗りこなす二男君を見て、僕は確信したのだ。
『二男君にも自転車特訓はいらないね・・・。』
脅威のバランス感覚を身につけた二男君。やはり、長男君を見て育った二男君は物覚えが早い!
二男君が自転車特訓を開始したのは4,5歳の時だ(やはり曖昧な記憶や)。僕の目標は、10分以内に二男君を自転車に乗せること。
#すでに目的変わってる
特訓開始してすぐに、定番の会話が始まった。まるで僕に気を使ってくれたかのような会話である。
『絶対に離さないでね!』『わかったよ!』
僕の心の中は、
『大丈夫、離しても君は乗れるから!』
もう結果は明らかである。自転車と一体化した二男君。特訓時間はわずか5分。記録更新である。
ランニングバイク恐るべし。
自分が小さい頃の自転車特訓っていったい何だったんだ・・・。
というか、自転車ってこんな簡単に乗れるようになるんだね。
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