今回は、長男君の幼稚園入学の記憶を掘り起こします。
長男君は人見知りではないが、世間一般の長男たちと同様に甘えちゃんである。なので、幼稚園入学は一波乱あるだろうなと予想はしていたんだ。
入学前は常にお母ちゃんと過ごしているわけで、そこから初めての友達・先生たちと生活するようになるので、4歳の長男君にとっては大きな試練だったはずだ。
お父ちゃんとお母ちゃんは、数日前から徐々に幼稚園の話は刷り込んでいった。その時の長男君の反応は、とても前向きなものだった。
長男君が通うことになる幼稚園は、ある程度規律を重んじる校風だった。何でもかんでも自由ではなく、集団での活動、縦のつながりを重視する教育活動を展開している幼稚園だ。
ただ、カトリック系の幼稚園だったので食事前のお祈りには家族一同戸惑った覚えがある。入学当初はお祈りを丁寧に行うので、食べるまでに時間がかかったのだ(もちろん、そんな姿も可愛かったけど)。
特に、長男君の祖父の動揺は笑えた。
我が家がキリスト教信者になったと誤解し、祖父は一人で混乱していたらしい。これは結構後になって判明した事実である(日本人の宗教嫌いはなかなか根深い)。
入学式当日の朝はとても穏やかだった。長男君は若干の緊張を感じていたものの、駄々をこねるわけでもなく車に乗り込んだ。
異変は幼稚園に到着してからである。長男君の顔が不安だけになった。お母ちゃんから離れようとしなくなった。
先生たちの協力もあり、何とか教室に入れることはできた。けれども長男君の号泣は続いていた。この時の何となく切ない気持ちは覚えている。
入学式が始まり、園児入場の時に僕たち夫婦は爆笑した。
カッコいい服装の長男君はまだ号泣していて、付き添いの先生と手を繋ぎ入場してきた。僕はビデオカメラ片手に爆笑した覚えがある。だって、何とも微笑ましいシーンだったから。
ただ、園児の列に並ぶことはできずに、その先生から離れることはできなかった。長男君は職員席に位置することになった。
入学式の内容はほぼ覚えていないが、一番爆笑したシーンは幼稚園の職員紹介である。
先生たちは一人ひとり自己紹介をしていくのだが、何とその場に長男君が登場した!
なぜなら、ずっと付き添いの先生と手を繋いで泣いているから、その先生も手を離すことができないのだった。
困ったその先生は自己紹介の場で長男君と手を繋ぎ、全園児・全保護者の前で挨拶をした。うちら夫婦は同じ感想を抱いた。
『何でお前まで前に出とんねん!笑』
入学式中ずっとメソメソしていた長男君。当然、集合写真も泣き顔で写っている。今となっては良い思い出だ。
何も起きない入学式よりも、こんな素敵なハプニングを起こしてくれた長男君に感謝だ。
そこからの数日もハプニングの連続だった。泣いて園バスに乗りたくないと駄々をこねたり、幼稚園に行っても不安で泣いていたらしい。
仕事をしている合間に、そんな朝の様子の動画を見るのはとても幸せだった。
ただ、3日を過ぎると慣れたようで、友達を作り楽しい幼稚園生活を送るようになった。子どもの順応力ってすごいね。
コメント